心地よい音色♡スティールパン

「スティールパン」または「スティールドラム」と言う楽器をご存知ですか?

おそらく「スティールパン」という名前は知らなくても、その音色は聞いたことがあると思います。

どんな音色か分からない方は、とりあえずこちらの動画をご覧ください♡

One Love by Bob Marley

トロピカルな雰囲気の軽やかな音がする「スティールパン」ですが、なんとなんとドラム缶から作られているんです。

しかも、ドラム缶をひたすら叩いて凹ませて作る豪快な楽器であるにも関わらず、凹ませる位置と深さで音階も作れるという奇跡のような楽器なのです。

「スティールパン」を作る動画がありました。

Making A Steel Drum

ドラム缶から作られた「スティールパン」がどうしてこんなにも繊細な音がするのか本当に不思議なのですが、この楽器のルーツを知るとさらにココロに響くものがあります。

「スティールパン」は中米カリブ海に浮かぶトリニダードトバゴという国で生まれました。

カリブ海の国というと、何となくトロピカルでレゲエの音楽が流れているのどかな国をイメージしてしまいますが、このあたりに暮らす黒人の人々はそのルーツがアフリカから奴隷として強制的に連れてこられたという歴史があります。

過酷な強制労働や虐待、差別など、想像も絶するような奴隷貿易の時代、これらの人々は故郷のアフリカを思って、手元にあるものを叩いたりしながらリズムを奏でていました。

しかし、そんな思いを踏みにじるように支配者の白人たちは、それらの打楽器(のようなもの)を全て黒人から取り上げました。

彼らの必死の抵抗から生まれたのが、廃品のドラム缶から作られたこの「スティールパン」だったのです。

トリニダードドバゴで生まれた「スティールパン」は、世界的に知られ「20世紀最後のアコースティック楽器」と言われるまでになりました。

政府も「国民の楽器」として国を挙げて大切に広めているそうです。

毎年トリニダードドバゴで行われるカーニバルで「スティールパン」のコンテスト「Panorama(パノラマ)」というイベントが行われます。

村ごとに100人を超える「スティールパン」の大バンドを結成して、息の合った演奏を披露します。

これが凄い迫力なんです!

演奏している全員がノリノリのハイテンションで、見ている方も自然と身体が揺れてきてしまうようなリズム感。

こちらは少し古い映像ですが、演奏をしている人達の気持ちよさそうな笑顔をご覧ください。

Exodus Steel Orchestra Panorama Semi Final 2013

私はこの「Panorama」の映像を見ていると、不思議と涙が出てきてしまうことがあります。

演奏や音色が素晴らしいこともあるのですが、人々が生き生きとしている姿とか、本能のままにリズムに乗っている躍動感などが心に響くのかもしれません。

もともと青い空が広がるカリブ海のあたり、ジャマイカやキューバ、メキシコなどの雰囲気が大好きなのですが、いつか行ってみたいと思える場所です♡

こちらは、おまけの動画。

とっても可愛い子供が、マイケル・ジャクソンのHuman Natureを演奏しています。

Human Nature by Michael Jackson

日本の夏は猛暑でぐったりしてしまいますが、心地よいトロピカルな音を感じたいと思ったら、ぜひ「スティールパン(スチールパン、Steel Pan または Steel Drum)」を検索してみてください。

癒されますよ♡

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です